滞在時間とは

滞在時間とは・・
ホームページや特定のページ(コンテンツ)にユーザーが訪問し、閲覧を開始してからどのぐらい滞在していたのか、
を計測するために使う時間

と説明されることが多い。

厳密に言うとちょっと違いますが、
とりあえず、ユーザーがウェブサイトを閲覧するために滞在していた時間との理解で
だいたい合っています。

ただし、Googleアナリティクスの限界、もっと正確に言えば、
今のアクセス解析ツールの限界もあり、
ユーザーが閲覧のため滞在していた正確な時間の指標として適切なのかというと、
決してそうでもありません。

そもそも、滞在時間が計測指標として使われだした経緯は、
滞在時間が役に立つからというのもありますが、
それよりももっと単純な理由です。

それは『ただ測定できるから』という理由が大きいんです。

そのため、あまり意味も深く考えず、なんとなく

男性-疑問

滞在時間というのは、サイトに滞在していた時間なんだろう。

と捉えている方も多いのではないでしょうか?

では、滞在時間の正確な意味と計測方法は??

滞在時間の計測方法

滞在時間の計測方法

以上の通り、

滞在時間=ユーザーが閲覧を開始した時刻と離脱する際に最後に居たページに入った時刻の差

それが滞在時間です。

なぜ、このようにおかしな事になるのか。
システム的な話になるので、なるべく簡単に説明しますが、
Googleアナリティクスを含め、アクセス解析ツールは、
ユーザーが行う『リクエスト(※おおざっぱに説明するとウェブサイトのコンテンツの中にあるボタンのクリック)』を区切りとして時間を計測することしかできないからです。

つまり、ページやサイトからの離脱という行動は、どこもクリックしていないので、
Googleアナリティクス(アクセス解析ツール)はそれを計測することはできないんです。

そのため、解析を行うプロも、その点を前提に滞在時間を指標として使うことになります。
ただ、いまだにプロを名乗る人の中でも滞在時間の計測方法を分かっていない人が大勢いることに注意が必要です。

さらに、滞在時間の使い勝手を悪くしているのが平均滞在時間として、
各セッションごとの滞在時間の数値を平均化している点です。

平均滞在時間、と聞くと以下の様な平均のグラフをイメージしませんか。

平均値のイメージ

しかし、実際に解析を多数経験すると分かるのですが、
ほとんどの場合、このようなグラフにはなりません。

どんなグラフになるかというと以下のような形です。

実際の平均値

お分かりの通り、数値のほとんどがゼロ近くに集中しています。
これはなぜか?

ウェブサイトは、セッション、つまり訪問者の半数近くが直帰(サイトに入ってきて1ページしか閲覧せずすぐ出ていく行動)してしまい、それらは全て『0秒』として計測されるためです。

まずここまで頭に入れておいてください。

滞在時間はどう使う

では、この平均化された滞在時間はどのように活用すればよいか?
その点を解説していきます。

ユーザーが興味を持っているか?

使い方の代表格は、ユーザーがコンテンツやウェブサイトに興味を持っているかどうかの指標データとしての活用です。

訪問者がコンテンツやウェブサイトをじっくり閲覧することで、
滞在時間が長くなっているなら、それは、サービスや商品に対して興味があるから。

という理屈であす。

このような指標で使用することは解析を行う者としては、常識的な思考です。

しかし、だからと言って、

滞在時間が長い=良いこと
滞在時間が短い=悪いこと

とは限りませn。

例えば、閲覧開始ページでユーザーを満足させるコンテンツがしっかり出来上がっている場合のことを考えてみましょう。

閲覧を始めたページのコンテンツを読んで訪問者が満足した場合。

満足したなら次のページ閲覧しない。

閲覧しない=次のページに行かない。
つまり、直帰する。

直帰したユーザーの滞在時間はどうなるか、
『0秒』である。

つまり、閲覧開始ページとしてよく見られているページがある場合、
そのページがユーザーを満足させるほどよくできていれば滞在時間は短くなりますが、
今回の場合で言えば、滞在時間が短くなるのは、むしろそのページでユーザーを満足させているのでOKなのです。

したがって、興味関心を計測する指標のデータとして滞在時間を活用する際は、
ユーザーを意図ごとにセグメントして、意図を読み取り、その意図に合致しているコンテンツかどうかを判断するのがプロのやり方です。

では、滞在時間を活用するための
『ユーザーを意図ごとにセグメントする』というのはどうすればよいのだろうか、
以下、検討してみます。

キーワード×ページで滞在時間をチェックする

ユーザーの意図の判別方法は、基本的には検索キーワードのメインキーワードの後ろに+αとして後ろに付いてくるサジェストキーワードをしっかり見ることです。

集客>キャンペーン>オーガニック検索キーワード

検索ワード
ここでまず、ざっと眺めた後、ユーザーの属性をセグメントしてみましょう。

悩んでいる人がGoogleで検索する場合、
通常は『メインキーワード+サジェストキーワード』で検索することが多い。

この『サジェストキーワード』に『ユーザーの意図』が現われやすいのです。

例えば、以下のような感じです。

残業多い 会社辞めたい
シーズー 皮膚が弱い
出産祝い 相場

このようにして、
ユーザーの意図を検索キーワードを元にセグメントをかけて閲覧しているページごとに計測し、
滞在時間だけでなく、どのサービスのページが閲覧されているのかという行動を解析を
行っていきます。

ただし、2020年7月29日現在、GoogleもYahoo!も『オーガニック検索キーワード』はほとんど取れなくなっているため、上記の方法ではユーザーの意図もほとんどわかりません。

そこでSearch Consoleを使います。

集客>Search Console>ランディングページ

まず、Search Consoleのランディングページを表示しましょう。
サーチコンソールのランディングページ

次に、ページごとにどんな検索キーワードで流入しているのかをチェックするために、確認したいページのURLをクリックします。

すると次のようにページに流入している検索キーワード(正確には、検索クエリ)の一覧が表示されます。

searchconsoleのページごとの検索クエリ

例えば、このページは結婚式の乾杯酒について書いた記事ですが、乾杯酒についても

『式場 契約前 確認』
『乾杯 ビール 理由』
『披露宴 ケチ』

など、いろんなキーワードでどのぐらい流入しているかが分かります。

それぞれのキーワードごとに直帰率と滞在時間が分かれば、より対策を立てやすいんですが、Search Consoleでは直帰率も滞在時間も分かりません。

そのため、Search Consoleで検索クエリをチェックしたのち、
行動>サイトコンテンツ>ランディングページ
にて、ページごとの直帰率と滞在時間(平均セッション時間)をチェックしましょう。

滞在時間は相対評価で見る

ただし、ここで滞在時間のデータの解析を行う際に、注意しなくてはいけないことがあります。
滞在時間は平均化されて、平均滞在時間となっています。

そして、滞在時間の平均とは、
極端に偏った行動を取るユーザーが多いと、
そちらに引っ張られてしまうという欠点があります。

そのため、平均滞在時間が5分といっても、
5分滞在しているユーザーが多いのか、
それとも0分と10分が多くなり、中間の5分となっているのか、
それは分かりません。

であるとすると、指標として活用するには、

絶対値(そのままの数値として利用する方法)ではなく、
相対値(他との比較して割合として利用する方法)を用いないといけない。

つまり、

男性-了解

前年同月の平均滞在時間は5分で、
先月のリニューアルしてから12分になったから、差し引き7分も伸びた!

のように実数値で数字を見るのではなく

女性-了解

リニューアル前後で滞在時間が40%伸びた。
だから、今月はそれを維持できるようにしよう!

のように、他の期間やページなどと比較した割合で見るのが本来の正しい解析の活用方法です。

なぜ指標として使われているのか?

実数値として使えないなら、そもそも、なぜこんなあてにならない
『平均滞在時間』を指標として活用することになったのか。

なんのことはない。
『計測しやすかったから』
です(笑)

上記でも書いたとおり、
滞在時間とは、リクエストの差で計測します。

それは、特に何も設定をしてい無くても、
取れてしまうデータなので、ウェブの黎明期から活用されていたというだけのことなんです。

Googleアナリティクスの管理画面から中央値や最頻値などのデータを編集して抽出できるようなれば、
滞在時間もより一層使いやすくなるでしょうが、当面そういったデータ取れることはないでしょう。

であるとすると、平均滞在時間を指標の解析のデータとして使わざるを得ないのです。
もしくは、データをエクスポートして、エクセルで計算し直せば出せます。

そして滞在時間についてはもう1つ注意点があります。

滞在時間は2つある

今回の記事では、『滞在時間』とひとくくりにまとめていますが、
実は、滞在時間は2つあります。

それが
『平均セッション時間』と『平均ページ滞在時間』である。

以下、説明する。

平均セッション時間

平均セッション時間

平均セッション継続時間
平均セッション継続時間は、すべてのセッションの継続時間(秒単位)の合計をセッション数で割った値となります。
https://support.google.com/analytics/answer/1006253?hl=ja

つまり、1回のセッションの滞在時間のことです。
項目名は、平均セッション継続時間となっているが、要は平均セッション時間のことです。

それは、訪問者がウェブサイトに入った時刻(閲覧開始時刻)と
最後のページに入った時間の差のことであり、
訪問者がサイト内にどのぐらい滞在したのかを測る指標として用いられます。

言い方をかえると、ウェブサイトへの1回のセッションの時間ということです。

『まとめサイト』や『ハウツーサイト』は、
1回のセッションの間にウェブサイト内の様々なページを巡回するため、
必然的に滞在時間は長くなる傾向があります。

また、学校、特に大学などのサイトでは、
文章量が多いため滞在時間は伸びる傾向にあり。

しかし、それとは別の理由で滞在時間が長くなる場合もあります。
それは、迷子になっている場合です(笑)

似たような項目が多い大学のサイトの場合、
どのページに自分の欲しい情報があるのか見つけにくいため、
色々なページを移動します。。
そのため、必然的に滞在時間は長くなってしまうんです。。

しかし、一般的なECサイトは、目的を持って訪問している場合であれば、
1回のセッションで商品を購入すれば離脱するため、さほど長くなることはありません。

平均ページ滞在時間

平均ページ滞在時間

特定のページを閲覧していた時間とのことです。

この測定方法もシンプルで、
そのページの閲覧を開始した時刻と、次のページに遷移した時刻の差です。

ただ、気をつけないといけない点は、
今のブラウザは様々なページを『タブ』として開けておくことができます。

すると、あるページを開いたまま、別のページを閲覧するということももちろんありえます。

その場合、どうなるか、
『平均ページ滞在時間』はムダに間延びしてしまう可能性があるんです。

直帰したらどうなる

また、特定のページを訪問、閲覧し、直帰した場合、
次のページへ遷移していないため、
そのページの滞在時間はやはり『0秒』となります。

離脱したらどうなる

例えばAページから離脱した場合、
Aページから次のページには行っていないので、
Aページの滞在時間は不明です。

つまり、『0秒』としてカウントされるのではなく、
平均ページ滞在時間という項目そのものから除外されるのです。

まとめ

滞在時間と一口に言っても、
その後の行動が直帰なのか離脱なのかによって、
計測の仕方は微妙に変わります。

ゆえに、データとして活用する担当者は、
意味をちゃんと理解して、活用しないといけない。

アクセス解析を行う際に常に意識しないといけないのは、
『データを疑え』ということです。

ウェブ上のデータは、今のITのシステムに依存しているため、
取れないデータは必ず存在しています。

そして、もともとGoogleアナリティクスはアメリカのものであり、
それを日本語に翻訳して活用されているため、
日本も微妙に正確性が危ういものも混じっています。

それらを理解しながら、使っていきましょう。

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